『1000分の1の個性』ちゃりんこリエの育児大奮闘記
↑ クリックすると『1000分の1の個性』ちゃりんこリエの育児大奮闘記トップページに戻ります。
第31章 友だちの輪
子供たちの心に芽生えた思い
早いもので2011年ももうすぐ終わり…。今年は本当に色々なことがありましたね。東日本大震災など歴史に残る災害が立て続けにありましたが、きっとこれらは年末にテレビで特集されると思うので、ここでは我が家の1年を振り返ってみたいと思います。
まず一番大きな出来事といえば、子供たちが保育園に入ったこと。入園までは、世間に根強く残る障がいへの偏見を、身を持って痛感しました。でも今思えば、それは大士を社会に送り出す上で、乗り越えなくてはいけない最初の壁だったのがもしれません。そのことがあったからこそ、今いきいきと生活している子供たちの姿を見ると、やっぱり集団生活に入れてよかったと思うし、受け入れてくれた保育園や先生、お友達には感謝の気持ちでいっぱいです。
こうしてみんなに支えられ、毎日を送るだけでも幸せなことなのに、先日さらに保育園の先生からうれしい言葉をいただきました。
それは先月号でも書いた運動会が終わったあとのこと。それまでは、体が小さくいつもチョロチョロしている大士のことを、子供たちはどこか赤ちゃん扱いし、何でも手助けしようとしていたそうです。でも今は大土を同じクラスの一員として、友達の一人として、見守る時は見守る。そして、助けが必要な時は手を差し伸べるということが、自然と出来るようになったそうです。
大士を通して子供たちの中に芽生えた、人を思いやる気持ちや、いたわる気持ち。
ダウン症である大士が私たち家族だけでなく、みんなにとっても必要な存在だと思ってもらえた気がして、思わずうれし泣きでした。
『障がいはひとつの個性』
世の中がそう思うにはまだ時間がかかるでしょう。でも、この子供たちのように偏見を持たず相手を思いやる気持ちをみんなが持てたら、きっと変わっていけるのではと思います。
ちゃりんこリエ
2005年~2007年までサクラサクライフに籍を置いていた敏腕編集部員。現在、夫と子供(2人)とともに、まったりとした生活を送っている。