手帳を新しくするとき、私は今まで使っていた古い手帳をつい読み返してしまいます。手帳には自分と家族の予定などが書かれているのですが、一番多く書いてあるのは大士の予定。週一で通うプールや、集団療育、個別指導、定期健診など、2011年も色々な所に行っていました。

 よく頑張ったな~と思いながら手帳を見ていると、ふと目にとまったのが『出来ないまま終わらせない!成功がやる気を作る!ほめてのばす!』という言葉。

 それは、療育でお世話になっている先生の言葉を書き込んだものでした。

 ダウン症の特性なのか、大ざっぱな私に似てしまったのか、大士は細かい作業が苦手です。ひも通しや、型はめなどは、神経がたくさん通っている指先を使うので、なるべく取り組むよう言われています。でも、大士はちょっと失敗しただけで、もうやりたくないとすぐにお手上げ状態。そんな彼に対して、私はついつい『どうして出来ないの!?』と言ったり、出来ないままで終わらせてしまうことがありました。

 でも、そんな私の態度が大士のやる気をなくし、いつの間にか苦手意識を強くしていたんです。

 先生から指導を受け、私はどんなことでも、出来ないまま終わらせないよう心がけました。失敗してもそこまで出来たことをほめ、やりたくないと言った時は一緒に最後までやり遂げる。出来たことを一緒に喜ぶ。そしていっぱいほめる。

 大人だって、出来ないことが出来るようになったら、また挑戦しよう!って思うし、ほめられたら素直にうれしいですよね。当たり前のことだけど、子どもも同じです。

 そっぽを向いていたことに少しずつ興味を持ち出し、今まで苦手だったパズルを自分でやりたいと言い出した大士。そんな彼に、ちょっと難しいパズルを買いました。今は私と一緒に完成させていますが、いつか1人で『出来た~!』と言える日がきますように☆