『1000分の1の個性』ちゃりんこリエの育児大奮闘記
↑ クリックすると『1000分の1の個性』ちゃりんこリエの育児大奮闘記トップページに戻ります。
第39章 通訳
よき理解者。
最近、下の子のことばが沢山出るようになってきました。2才の女の子はおませさんで、話を聞いていると本当に笑えます。髪をしばってあげると『うわ~すてきね~』と、鏡の中の自分とお話ししたり、空を見上げて『雲がおよいでる~カスミに卵買いに行くんだね』と言ってみたり。食事中の大士に『よく噛むのよ。わかった!?』と話す姿は、まるで小さいお母さんです。
そんなおしゃべりな妹にいつも付き合わされる大士ですが、ことばを話すのはやっぱり苦手。ことばの遅れはダウン症の特徴のひとつでもありますが、誰もが聞き取れる単語は『パパ、ママ』と最近お気に入りの『バス』など数十個(それでも私たちにしてみれば最近すごく増えたんです!)会話に関しては、何かを伝えようとはしてくるので、日本語でも英語でもない大土語を、なんとなくこちらがくみ取り、ようやく成立するといった感じです。
ことばの意味を理解することは兄妹ある程度同じレベルでも、ことばを話すということに関しては、完全に妹に追い越されてしまいました。
それでも、そんなことはおかまいなしに、どんどんお兄ちゃんに話しかける我が家の小さいお母さん。最近マイブームの『とんとんとん』『何の音?』『風の音』『あ~よかった』を、何度も何度もひたすら繰り返していました。はじめのうちはことばがでない大土と私が一緒に相手をしていたのですが、さすがに私は毎回相手をしていられません。しつこい妹に1人で何度も付き合っていたお兄ちゃん。何回かしてふと2人のやりとりを聞いていると、大土がちゃんと『何の音!?』『あ~よかった」と、はっきり発音していたのです。これには驚きと感動。さらに、最近は大土が何を言っているかわからず、うまくコミュニケーションがとれない時は『大士くん○○って言ってるよ』と、私たちの間に入り通訳してくれることも。子ども同士、兄妹同士の目に見えないつながり。我が家の小さいお母さんのパワーを感じる今日この頃です。
ちゃりんこリエ
2005年~2007年までサクラサクライフに籍を置いていた敏腕編集部員。現在、夫と子供(2人)とともに、まったりとした生活を送っている。