コラムを始めて5年になるこの春、たいしが幼稚園を卒園し、新たなスタートを切ろうとしています。


生後5か月の頃から集団療育や個別療育に通い始め、3才から5才までを保育園で過ごし、引っ越しと共に現在通う幼稚園に編入したのは今からちょうど1年前。

短い聞ではありましたが、就学前の大切な時期を過ごしたこの幼稚園では本当に色々な経験をさせてもらいました。

1.5キロのロードレースなど、大人顔負けのプログラムを見事にやり遂げた運動会。

クリスマスには一生に一度の経験となる、東京ディズニーランドのステージで歌を被露。

そして卒園を控えた3月は、今までコツコツと練習を重ねてきたハーモニカやアコーディオンなどを使い、幼稚園児や卒園した小・中学生に先生方、総勢70名で伝統あるリード合奏大会への出場。

さらにその翌週には、合奏大会の練習と合わせて進めてきた音楽劇やピアノの発表会と大忙しでした。

初めてリード合奏を聴いた時はお世辞にも上手とは言えず、かなり心配になりましたが、先生方の熱い指導により本番の子ども達は堂々とした姿で見事な演奏をしてくれました。

そして集大成となる音楽発表会では、ひとりひとりステージでピアノを演奏し、音楽劇ではたいしもみんなと同じように役とセリフをもらい、お友達と一緒に歌とダンスを披露してくれました。

どの練習も楽しいだけでなく、やりたくない時や辛い時があったと思います。

でもそれらを先生は『ガマンの練習』と言っていました。

これからの人生、今までの練習のように、苦しいことや辛いこと、全部投げ出してしまいたいこと、いっぱいあると思います。

でもコツコツ努力とガマンを積み重ねることで、きっと道は明るくなる。

それをたいしは様々な経験を通し、身を持って感じとってきたと思います。

この1年、たくさんのことをやり遂げた、小さなカラダに無限の可能性を持った子ども達。

みんなと一緒に色々なことをやってきたことで、ダウン症であるたいしも他の子と同じように無限の可能性がある。

そして根気強く指導してくれた先生と息子の姿に、どんなことでも簡単にあきらめちゃダメだと改めて教えられました。

4月からいよいよ始まる小学校。

幼稚園で見て、聞いて、感じて学んだことを胸に、たいしはたいしらしく新たな一歩をふみだしてほしいと思います。