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Vol.12

「他の病院から、白い薬をもらってるんだけど」 「それだけではわからないので、今度持って来てください…」

外来で診察していると、ご自分で飲んでいる薬を知らない患者さんが多いです。同じ効能の薬でも種類がたくさんあり、私も自分がよく使う薬以外、とても覚えきれません。ただ、中には飲み合わせが悪い薬があったり、同じ種類の薬をすでに飲んでいることがあり、注意が必要です。 最近では、他の病院で処方された薬も、調剤薬局で「薬の手帳」に記載してくれるので、ずいぶん助かっています。「薬の手帳」は、旅先や事故の時にも役立つので、ぜひ普段からカバンに入れておいてください。 ところで、皆さんが使っている薬の開発には、たくさんの動物が使われているのを知っていますか? 学生の時に「動物学実験」という講義がありました。その教科書には、ちょっと誤解を招く表現だと思いますが、「実験動物は生きたリトマス試験紙」と書いてありました。ご存知の通り、リトマス試験紙は酸性アルカリ性を調べる紙。一度使ったリトマス試験紙が次の実験に使えないように、一度使われた動物は他の実験に使うことはできず、処分されてしまうそうです・・・。 大変かわいそうですが、彼らは人間の役に立ってもらうべく、作られた動物たち。薬の影響がわかりやすいよう、薬以外の条件をそろえるため、何世代もかけて遺伝子がほとんど同じになるようにかけ合わせたそうです。彼らの犠牲の上に、私たちの健康が守られているんですね。 その講義で教授が、「一番実験動物を使うのは薬の開発ではなく、実は化粧品の開発。皮膚にトラブルが起きないか、まず動物で試すんです」とおっしゃっていました。それからというもの、テレビで動物愛護のデモをする女性を見ると、「この人たちは、自分が使っている化粧品の影に、たくさんの実験動物がいることを知っているのかな?」と思ったりします。 人間の場合、遺伝子や生活環境がバラバラすぎて、同じ薬でも合うかどうかは試してみないとわかりません。なので、最初にもらった薬が効かなかったからと言って、すぐ病院を変えるのは考えもの。同じ病院にかかれば次から他の薬になったかもしれないのに、次の病院でまた同じ薬を出されたのでは、治療が先に進みません。 将来は、飲む前からその人に効く薬、副作用の出ない薬がわかるようになるといいですね。

Sakurasaku診療所
足の親指が反り返る時に付け根が痛む、「強剛母趾」

地面を蹴る時に足の親指が強く反り返りますが、この時に親指の付け根が痛む病気です。ハイヒールを履いたり、つま先立ちをした時などにも痛みます。関節の動く範囲が小さくなって、ほとんど動かなくなってしまうこともあります。

打撲やスポーツ、ハイヒールなどが原因で起こると言われています。

初期の段階では、底が硬い靴や足底板を使って、母趾の反り返りを制限することで痛みを和らげます。また、痛み止めの内服、湿布や塗り薬、注射をすることもあります。

ですが、最終的には関節が壊れてしまうこともあり、そこまで悪化してしまった場合には、手術をすることもあります。

よくある質問
他に母趾が痛む病気はありますか?
痛風や外反母趾などがあるので、鑑別が必要です。
どんな検査をするのですか?
レントゲン写真を撮りますが、骨のトゲが軟骨の場合、はっきり写らないこともあります。
どんな手術をするのですか?
トゲを含めて骨の一部を削る方法と、関節を動かないように固定する方法があります。

2008-SAKURASAKU Life 4月号掲載

くらっし~先生こと・・・
水戸赤十字病院第一整形外科部長
倉茂聡徳 先生

  • 日本整形外科学会
    (専門医、脊椎脊髄病医、認定リウマチ医)
  • 日本足の外科学会
  • 日本交通医学会
  • 日本靴医学会
  • 日本フットケア学会

日赤病院
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