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Vol.28

今まで何十人の手足を切断したでしょう? もうずいぶん前から数えるのは止めました…

人の手足を切断するのが好きな人はいないでしょう。私だってそうです。見た目でも一目瞭然ですし、機能的にも大きな障害が残ります。大変申し訳ないとは思いますが、どの方も皆、やむにやまれず切断しました。
腫瘍は専門ではないので、主に事故や壊疽の方ですが、一番多かったのは救急病院にいた時です。10代の女性から、果ては80代のおばあさんに至るまで、電車やバスにひかれたり、ひき逃げされたりと、主に事故の方でした。骨や筋肉、皮膚だけでなく、血管や神経の損傷が大きくて残せない手足は、機能がないだけでなく、感染したり壊死物質によって生命を危険にさらすこともあるのです。
最近は、糖尿病や血管の病気で壊疽になったために切断する場合が多いです。以前も書きましたが、欧米では糖尿病で入院する方の半数は、切断手術を受けるためです。
切断というのは、医者にとっては一種の敗北宣言です。病気やケガに負けて、残すことができなかったのですから。
ただ、患者さんにとっては救済になることもあります。上腕の開放骨折で感染し、1年で10回以上手術を受けても治らず、毎日痛い思いをして傷を洗っていた方がいました。すでに手の機能があまりなくなっていたため、仕方なく切断したら、2週間で抜糸して退院されました。痛みからも解放され、晴れ晴れとした顔で、「この1年は何だったんだろう」とおっしゃっていました。
高速道路のカーブでドアが開いてしまい、道路の外壁にこすりつけて膝が無くなってしまった方もいました。何とか残せるのではないかと、毎日処置をしながら検討していましたが、痛みと不安で頭が変になってしまい、仕方なく家族と相談して切断したところ、翌日から普通の人に戻りました。
皆さん、今頃どうしているのだろうとふと思い出します。切断後も、切ったはずの足が痛む「幻肢痛」に悩まされる方もいますし、義足も、皆がうまく使えるわけではありませんから。
将来は再生医療が進んで、今まで残せなかった手足が残せるようになり、さらには昔切った手足がまた生えてくるようになればいいのに、と思います。

Sakurasaku診療所
爪先立ちの時に足首の後ろが痛い、「三角骨症候群」

足首の後ろに、時々、三角骨という余計な骨がある人がいます。これが、バレエでポアントという爪先立ちの姿勢を取ったり、サッカーでボールを蹴る時に足首を強く曲げたりすると、刺激されて炎症を起こします。爪先立ちのような動作で痛みを生じたり、すぐそばを長母趾屈筋腱という母趾を曲げる腱が通っているため、母趾の動きでも痛みを生じたりします。

治療は、痛くなる動作の制限、消炎鎮痛剤の投与や注射を行いますが、改善しない場合には手術で切除します。

よくある質問
なぜ三角骨ができるのですか?
過剰骨と言って生まれつきある場合と、前にある距骨の突起が骨折して残った場合があります。
どんな手術をするのですか?
三角骨を切除します。最近は、内視鏡を使って小さな傷で行うこともあります。

2009-SAKURASAKU Life10月号掲載

くらっし~先生こと・・・
水戸赤十字病院第一整形外科部長
倉茂聡徳 先生

  • 日本整形外科学会
    (専門医、脊椎脊髄病医、認定リウマチ医)
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日赤病院
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